自動給水機が好反響 スマート化着々と - 熊本・JA阿蘇

水稲生育順調 見回り減

 JA阿蘇のTAC(担い手に出向くJA担当者)は本年度、スマート農業の推進に力を注ぐ。第1四半期、水田用自動給水機を管内の生産者15件に計40基設置して、実証試験を行った。担い手からも好評だ。

 管内では水田農業が盛ん。だが、高齢化などによる農家減少に伴い、圃場(ほじょう)管理は一部の若手や担い手に負担が集中している。数百筆もの水田の管理には、多くの労力と時間が必要なことが課題となっていた。

 これまで管内では、5件の営農法人が水田用自動給水機を導入している。ただ導入していない担い手からは「実際に使ってみないと分からない」という声も聞かれた。そこで石川県のメーカーの協力を得て本年度第1四半期、水田用自動給水機を設置した。

 実証の結果、水田の見回りの回数が減った一方、生育に問題ないなど良い反応を得た。今後は、生産者の導入コスト抑制に向けた検討を進めたい考えだ。

 8月上旬、JAは2024年度第1四半期のTAC活動報告会を阿蘇市で開いた。常勤役員や部室長、関係者らに訪問活動の成果を報告した。30人が参加した。報告会は年4回開く。部門間の相互連携とJAの共通の課題解決に向け協議する。

 担い手への訪問活動によって、利用者の負担を減らす米の集荷体制について検討を求める意見が出たことも報告した。

 原山寅雄組合長は「部門間連携が目に見えないところで良い結果につながっている。今後も職員をリードしていけるようなTAC活動を行ってほしい」と話した。


<2024年8月22日(木) 日本農業新聞 ワイド1九州>