地元産野菜の販売コーナー誕生 - JA広島市

自家用も気軽に出荷を

 JA広島市戸河内支店は、農家組合員が自宅で消費しきれない野菜などを出荷してもらおうと、支店の購買店舗に町産の野菜や加工品の販売コーナーを設けた。コーナーは、組合員であれば誰でも出荷が可能。国連の持続可能な開発目標(SDGs)に掲げる食品ロス削減と、地産地消の拠点として活用に期待する。

 雪の多い同地区は、冬場の栽培が難しく、交通も不便で出荷量が減ることから、同支店に隣接する太田川産直市が1~3月は冬季休業する。「冬には地元野菜を買えるところがない」と消費者である准組合員の声もあり、支店職員が農家に聞き取ったところ、自家用に野菜を栽培する組合員が多かった。

 食べきれない自家用野菜は、配ったり、廃棄していることから、食品ロス削減や農家の所得向上に生産者と消費者をつなぐコーナーの設置を決めた。毎月発行している支店広報紙や組合員訪問時、窓口来店者、地元住民が集まる機会に地元野菜コーナーを周知する。

 1月下旬には職員が声掛けをした組合員数人が野菜を持ち込み、顔見知りの買い物客と新しくできたコーナーで交流した。朝取りのハクサイを出荷した矢立冨士子さん(81)は「雪の下で甘味が出てとてもおいしくなる。畑で眠っている野菜が無駄にならずによかった」と喜んだ。山田和枝支店長は「気軽に支店へ足を運んでもらえるきっかけにもなる。組合員の声をよく聞き、意見を反映させたい」と話す。
(2021年2月6日付 日本農業新聞ワイド1中国四国より)