規格外のダイコンを活用 - JAはくい

今季から「切り干し大根」に加工し販売

  石川・JAはくい

 石川県のJAはくいは、今季から規格外のダイコンを「切り干し大根」に加工して販売する取り組みを始めた。農産物加工業者である穴水町の合同会社Souseiから依頼があり、今季から試験的に開始した。食品ロスの削減と農家の所得向上につなげる。

 これまで二股になっていたり曲がっていたり、切り大根としても出荷できない規格外のダイコンは、生産者が持ち帰り、自家消費や廃棄をしていた。今年の収穫量約450トン(4万5000ケース)のうち、規格外は約9トン。これが「切り干し大根」に加工され、金沢市のスーパーなどに卸される。JAそさい部会の長浜恵司部会長は「処分する手間もあり、ただでもいいから引き取ってほしいという農家もいたほど。収入になり喜んでいる」と話した。

 JA担当職員は「来年以降は、JAの直売所での販売も検討していきたい」と期待を込めた。同JAは、食品ロスの削減を通じて持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みを推進する考えで、澤田英三郎常務は「今回の取り組みで農家所得向上と作業負担の軽減が同時に実現できた。今後もあらゆる分野でニーズを求め、廃棄されていた農産物価値を創造することもJAの重要な役割だ」と話した。


<2022年11月 23日(水)付け  日本農業新聞  ワイド2北陸>