九州北部豪雨から復興さらに - 福岡・JA筑前あさくら

ファームディレクター 2年後に経営を移譲し独立

 JA筑前あさくらが九州北部豪雨による被災農家の営農再開を支援する「JAファーム事業」で、第3期のファームディレクター(農作業委託者)の3人が独立し、アスパラガス生産者として新たな一歩を踏み出した。

 事業は、2019年度からJAが、復興支援のモデルケースとして展開。JAが土地の利用権を取得し、施設を整備してファームディレクターにアスパラガスの生産管理を委託する。2年後に経営を移譲することで、被災農家の初期投資や未収益期間の負担を小さくするとともに、営農指導を通じて早期の営農再開を後押してきた。

 今回、経営移譲を経て独立した第3期の3人は計約36アールでそれぞれ春芽、夏芽を栽培する。1月下旬、ファームディレクターの終了式を杷木支店で開いた。庄島美幸専務が終了証を授与した。

 ファームディレクターの一人、星野忠男さんは「ハウスの温度が40度を超す真夏も、厳しい寒さの中もずっと寄り添って指導し続けてくれた職員、県内トップレベルの栽培技術を教えてくれたアスパラガス部会の皆さんに感謝している。高品質なアスパラガスを生産してJAや部会に恩返ししたい」と述べた。

 事業による新規栽培者は累計で9人となり、アスパラガス部会の収量増、売り上げ拡大に貢献している。

 庄島専務は「九州北部豪雨からの復興へ向けたチャレンジ精神に敬意を表する。今後も朝倉の農業振興へ向けて、部会を盛り上げてほしい」と期待を寄せた。


<2024年2月23日(金) 日本農業新聞 ワイド2九州>