段ボール箱の仕様変更 資材価格16%抑える - JAひろしま

生産者の費用負担を軽減 輸送も効率化

 JAひろしまは、ホウレンソウの出荷コスト削減に向け、段ボール箱の仕様を見直した。強度や品質を保ちながら規格を調整し、製造ロットを確保することで、従来と比べ生産者への供給価格を最大で約16%抑えた。資材価格の高騰が続く中、生産者の費用負担軽減による所得向上と、農産物の効率的な輸送につなげる。

 JAはホウレンソウを管内全域の振興品目に指定して、生産と販売に力を入れ、本年度は約375トンの市場出荷を見込む。原料や燃油の価格高騰を受け、2023年8月に段ボール箱の仕様変更に着手。生産者部会の意向や市場ニーズなどを聞き取り、関係者が協議を重ねてきた。

 新しい段ボール箱は、長さ47センチ、幅29・5センチ、高さ40センチで入り数25袋。仕様を細部にわたり見直すことで、1箱当たりの段ボールの使用量を減らした。単色刷りでコストを抑えながら、側面にはJA公式キャラクター「ここまる」を印刷してPRし、ファン獲得にもつなげる。

 トラック運転手の労働時間の規制が強まる「物流2024年問題」なども考慮。1ケース5キロ、5段の積み上げで強度試験もし、市場着荷時の荷崩れの有無なども調べた。パレット1枚当たりの面積効率が94%。パレットを最大限活用し、集荷先から市場への効率的な輸送が可能だ。

 JA園芸課の中村典弘課長代理は「肥料や燃料の高騰で生産者の負担は増えている。出荷資材の見直しでコストを軽減し、農家所得の向上につなげたい」と話す。

 JAは、年間5万箱の利用を見込む。振興品目の段ボール箱や包装資材の仕様の検討を進める。


<2024年3月14日(木) 日本農業新聞 ワイド2中国四国>