「SDGs宣言」を行い、JA独自の目標と活動内容を公表 - 富山・JA富山市

持続可能な農業と豊かで暮らしやすい地域社会の実現を目指す

JA富山市が「SDGs(持続可能な開発目標)宣言」を行い、JA独自の目標と活動内容を公表した。県内のJA単独では初の試みで、「持続可能な農業と豊かで暮らしやすい地域社会」の実現に向け、もみ殻の有効活用や高温に強い米の作付け振興などに力を入れる。総代会で組合員に宣言書を配布するなど、取り組みの輪を広げている。同JAは、企業や団体それぞれの取り組みを募る県の企画「富山県SDGs宣言」に賛同し、独自の目標を“見える化”した。これまでに「富山県JAグループ」も宣言している。

 同JAは3月、全役職員が参加したワークショップでSDGsの理念を学び、農業や地域、職場の課題を洗い出した。4月には、職員が率先して「SDGs宣言」の作成に携わるメンバーを公募し、推進グループを結成。まとめた素案をたたき台にメンバーと常勤役員が議論し、宣言書を仕上げた。

 推進グループリーダーの坂口達哉さん(37)は「全役職員が自己改革の取り組みとSDGsを結び付け、考えを深める機会になった」と振り返る。

 宣言では「持続的な農業につながる取り組み」など大枠の目標を三つ掲げた。持続的な農業では具体的に「大量に廃棄されるもみ殻をエネルギーや循環型農業に有効活用」する他、「気候変動に応じた高温耐性米の作付け振興」「農家の負担軽減と担い手継承の促進」などに取り組む。

 大枠の目標には、さらに「地域の暮らしやすさ向上」と「働きやすい職場づくり」を設定し、それぞれ具体的な目標を掲げている。高野諭組合長は「地域や農家の皆さんを、誰一人取り残すことのないようJA富山市が支援していく。そういう強い思いで取り組んでいきたい」と話す。

<2025年6月12日(木) 日本農業新聞 ワイド1北陸>