JAの購買事業
スケールメリットを生かしメーカーと価格交渉
購買事業は、生産者(組合員)が必要とする資材について、JAができるだけ安く、良質なものを安定供給しようとするもので、大きく二種類に分かれます。 一つは、肥料、農薬、飼料、燃料など、農業に必要な資材を供給する生産資材購買、もう一つは、食品や日用雑貨用品、エネルギーなど、生活に必要な品目を供給する生活資材購買です。各組合員が個々に購入するのではなく、JAグループがスケールメリットを生かしてメーカーと交渉することで、低価格で安全、良質な資材を仕入れ、組合員に安定供給しています。
効率的な資材供給のため、JAグループの各団体で役割分担をしています。全国で一括購入できるものはJA全農本所が、都道府県ごとにまとめた方がいいものは都道府県のJA経済連・JA全農都府県本部がまとめて購入し、地域のJAを通じて組合員へ供給します。
JAグループの自己改革で、さらに生産資材の価格引き下げへ
JAグループでは平成27年から、創造的自己改革の実践として「農業者の所得増大」等を掲げ、生産コストの低減対策について重点的に取り組みました。
具体的には、肥料では銘柄集約による新たな共同購入や、大口生産者への直送による物流コストの低減、農薬では大型規格よりもさらに大きな担い手直送規格の取り扱いや、安価なジェネリック農薬の開発も進めています。農業機械では生産者の声を反映したトラクター、コンバインの共同購入を実施しています。
地域を支える生活資材
生活の足となる乗用車をはじめ、農業機械、ビニールハウスの暖房などの燃料として、石油製品は生活・営農に欠かせません。石油製品の主な供給拠点であるガソリンスタンドは、地域に欠かせないライフラインの一つとなっていますが、石油業界は再編・寡占化が進み、平成8年と比べておおよそ半減しています。JAグループでは、物流コストの見直しやガソリンスタンド(JA-SS)のセルフ化等を進め、安定した供給体制の維持に取り組んでいます。JA-SSは令和4年度末時点で全国2,287カ所に上ります。
また、都市ガス化されていない地域では、LPガスの供給も生活に欠かせません。JA全農では、国内業者からの仕入れだけではなく、産ガス国である中東諸国から輸入して安定供給に取り組んでいます。JAグループでは全国75カ所(令和4年度末時点)にガス充填所を設置し、自主物流体制の構築や他業者との物流提携を通して、地域組合員・消費者にLPガスを届けています。