全青協(全国農協青年組織協議会)水野会長の訪問記

さて、今回第28回JA全国大会議案が決議されました。
「担い手」として率直な感想を教えてください。

水野会長水野会長

JAが自らの意志ではじめた自己改革の「挑戦」について、全国各地で積み上げた優良事例を水平展開し、『「確立」や「実践」に向かうのだ!という強い意志』が決議されたものだと思います。
我々も自分たちで考える長期的な農業のあり方をポリシーブックとして示しています。
JAには大きな期待を持っていて、一緒に取り組んでいきたいと思います。
また、「JAグループへのメッセージ」で食と農にたずさわる関係者が多く紹介されており、マーケットや組織外部からの意見を積極的に取り入れようとする「組織の進化」を強く感じました。

それでは、訪問いただいた「農業者の所得増大・農業生産の拡大」に関する
展示会場について、お話を伺います。印象・感想を教えてください。

水野会長水野会長

我々「担い手」に向け、現実的で効果を実感・想像できるような事例が多かったと思います。
肥料や農機等の農業生産資材のコスト低減は、「協同の力」の発揮により、我々の手取りが向上できる良い取り組みだと思います。
未来に向けては、「加工・業務用野菜の取り組み」等で紹介のあった国産の冷凍野菜や、レトルト加工品の提案が重要だと、改めて認識できました。

展示会場では、全国各地での自己改革の取り組みや、
先進的な取り組みの事例が紹介されていましたが、どのように思われましたか。

水野会長水野会長

いよいよ農業界もIT技術を本格的に活用するステージに来たのだと感じました。
生産データの管理、選果場等の共同利用施設の効率化、営農指導や推進現場での活用等、我々は、もっと活用に向けて意識を高める必要があります。
サイボウズの青野社長もおっしゃっていましたが、来年の5Gの社会実装により、社会が大きく変わると思います。
今後、先端技術の活用について、JAから積極的に提案されることを期待しています。

JA全国大会式典では、北海道農協青年部協議会の今野会長より、次世代を担う農業者として、JAと共に自己改革の更なる実践を進めていくことについて、力強い意見を表明していただきました。
また、展示会場前のスペースを活用して、全国農協青年組織協議会の活動内容を参加者に発信し、理解を深めていただきました。

農業者の所得増大 農業生産の拡大

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加工・業務用野菜の生産振興の取り組みJA全農

国内における野菜流通量のうち、約6割が加工・業務向けとなっています。また、加工・業務用を中心に輸入野菜が増加傾向にあり、平成30年では生鮮・冷凍あわせて2,058千トン、3,150億円が輸入されました。このため、輸入野菜マーケットからの奪還に向け、国産の端境期を中心とした加工・業務用野菜の生産や、輸入量の多い野菜の国産化に向けた取り組みを、全国のJA営農部門と協力して実施しています。
加工・業務用野菜の重点品目のうち、キャベツ、結球レタス、タマネギ、ニンジンを通年供給するための試験栽培を行っています。
また、ブロッコリーでは、年々増加する冷凍輸入品への対抗として、花蕾が通常品に比べ2~3倍になる大玉品種の試験栽培・試験販売を13県のJAと共に実施し、生産から販売までのサプライチェーン構築に取り組んでいます。

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加工・業務用野菜の製品化に向けた取り組みJA全農

高齢化や単身世帯・共働き世帯の増加にともない、食の外部化・簡便化が進んでいます。特に中食の惣菜マーケットは平成29年に初めて10兆円を超えるなど伸長しています。このため全農と全国のJAは協同して、これまでの青果物原体中心の販売から、生産者手取りの向上に向け、付加価値のある加工食品の商品化や販売拡大を進めています。
加工・業務用野菜で需要の多いキャベツでは、カット野菜工場や惣菜事業者に対し、ロスが少なくすぐに加工可能な芯抜きの一次加工品ニーズが増えています。また、カット野菜についても、外食店舗などの人手不足に対応した個食用キット野菜や、小売各社のオリジナル性を高めたサラダ製品が求められています。
展示会場では、国産の冷凍野菜や、加熱済み加工品を含め、加工・業務用野菜の製品化に向けた取り組みを紹介しました。

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JA全農式養液栽培システム「うぃずOne」の活用JA全農

「うぃずOne」は、水稲育苗ハウスや遊休ハウスなどの有効活用を図るため、「隔離床栽培」で「安価な栽培システム」を作ることを目的に、全国のJA営農部門と協力し、全農でパッケージを開発しました。
特徴として発泡スチロール製の隔離床(トロ箱)により、設置・撤去が可能。また、簡易な液肥混入器と点滴チューブによる均一な潅水管理ができるため、比較的安価かつ簡単に養液栽培に取り組めます。
平成25年から販売を開始し、約5年間で導入戸数135カ所、栽培面積967a(平成30年1月現在)にまで普及拡大しています。さらに全農では、うぃずOne用オリジナル複合肥料「アクワン」を開発・販売しています。また、栽培マニュアルの整備や「うぃずOne」導入者を対象としたうぃずOne研究会を開催するなど、トータルで生産者の手取り最大化に全国のJAと共に貢献しています。

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米の業務用向け契約栽培の取り組みJA全農

米の全体消費は年々減少していますが、家族形態の変化にともなう食の外部化等の影響により、中食・外食を中心とした業務用需要は毎年伸長しています。
一方、米の生産においては、農地集積が進み、経営規模の大規模化が加速しています。大規模化した生産者からは、作況や相場に左右されない安定した農家経営や作期分散を強く望む声があがっています。
このことから、全農は全国のJAと連携して、大規模化した生産者の経営面積の一部を、複数年・固定価格で業務用実需者に結び付ける契約栽培の取り組みを積極的に提案しています。

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農家手取り最大化に向けたトータル生産コストの低減JA全農

全農と全国55のJA(41都道府県)は協同して、①トータル生産コストの低減、②大規模営農モデルの実証、③人材育成を3つの柱とした農家手取り最大化に向けた取り組みを展開してきました。
具体的には、「トータル生産コスト低減メニュー」を、農業者やJAに提案し、この中から実際に取り組む新技術や新品目・品種、作型等を決定した上で、3年間実践・実証を進めてきました。なお、農薬の大型規格化や元肥一発型肥料の設計・供給、水稲流し込み施肥法、密苗、鉄コーティング直播栽培、水稲多収品種、レンタル農機の導入等、様々なメニューがあります。
今後は、これまでのモデルJAや自己改革の実践で得られた取り組み成果を、全国すべてのJAに展開し、多くの農業者が効果を実感できるよう取り組みます。

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JAグループ肥料・農薬事業の自己改革の取り組みJA全農

肥料事業では、化成肥料の銘柄集約による新たな共同購買を、平成29肥料年度から開始しています。高度化成・NK化成・普通化成の一般銘柄と苦土入り高度化成を対象として約550銘柄を25銘柄に集約し、平成30肥料年度は春用・秋用の合計で、予約が11万トンを超えました。この数量をもとに新たな共同購入により、基準価格に比べ概ね1~3割の価格引き下げを実現しました。また、化成肥料よりも多銘柄生産に適しているBB肥料の広域供給に取り組んでいます。
農薬事業では、メーカーから生産者へ直送する担い手直送規格を設定し、製造・物流・保管コスト低減により通常規格と比較し概ね2~3割安価な価格を実現しました。この担い手直送規格を全国のJAとともに普及に取り組んでおり、平成28年度21,220ha、平成29年度53,358haと着実に拡大し、平成30年度では目標である80,000haを達成する見込みです。

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低価格トラクターの共同購入とフレキシブルコンテナの活用JA全農

農機事業では、JA・生産現場の声を反映した大型トラクターの共同購入に取り組んでいます。平成29年度より生産者モニターや1万名超の生産者アンケートを実施し、生産者が必要とする機能を備えたトラクター開発をメーカー各社に要求しました。3ヵ年で1,000台の購入目標を掲げて予約を積み上げることで、標準的な同クラス機と比較し、概ね2~3割の価格の引き下げを実現しました。平成30年度は800台超の納品実績となる見込みです。
包装資材事業では、フレキシブルコンテナの需要が高まっており、全農は、国内ユーザーで唯一JISに準拠した強度確認ができる試験機を導入し、海外の提携メーカーから直接輸入を行い、製造・品質の指導・安定供給に向けて取り組んでいます。また、隔壁型フレキシブルコンテナの拡大も進めており、トータルで生産者の手取り最大化に全国のJAと共に取り組んでいます。

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アシストスーツを活用した農作業の負担軽減の取り組み①株式会社イノフィス

株式会社イノフィスが提供する「マッスルスーツ®」は、その人自身の動作を助け、作業負担の軽減や腰痛予防に役立つ装着型ロボットです。装着することで「重い物を持ち上げる」「中腰姿勢を保つ」といった動きが楽になり、また、電力が要らないため、屋内外問わず安全かつ簡単に使用できます。介護施設・工場・建設現場などでも取り入れられており、農業では、整地・植え付け・収穫・出荷などのさまざまな場面での活用が見込まれ、作業の省力化、生産性向上や担い手確保に貢献することから、導入が広がってきています。

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アシストスーツを活用した農作業の負担軽減の取り組み②ダイヤ工業株式会社

作業労働の軽減を目的としたアシストスーツを展示しました。アシストスーツbonbone MOTTは、ぶどう農家の方の声からできた商品で、ゴムの張力を活かして腕上げをサポートするため、腕上げ姿勢の多い果実農家に適しています。DARWING SATTは、医療現場で培った技術を活用して骨盤のコルセット機能+背中のアシスト機能から中腰をサポートするため、中腰で作業される重量野菜の栽培に適しています。
展示会場では、これらのアシストスーツを体感していただきました。

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農業を取り巻くリスク対策への取り組みJA共済連

JA共済では、JAの組合員・農業者が安心して農業経営に専念し、安定的な事業・生活基盤を築いていただけるよう、「農業リスク診断活動」と「農作業事故の未然防止活動」を展開しています。
「農業リスク診断活動」は、農業を取り巻くリスクやその対策について農業者へお知らせし、農業を取り巻くリスクの点検やリスクの対策状況の確認を行う活動です。
また、「農作業事故の未然防止活動」は、農作業の安全を確保することにより、農業経営におけるリスク軽減・回避を図ることを目的として取り組んでいます。
展示会場では、農業リスク診断活動のJAにおける取り組み事例やJA共済のタブレット端末「Lablet’s」による農業リスク診断システム、農作業事故の未然防止のための啓発動画や啓発資材を紹介しました。

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畜産における新技術による労務軽減と生産性向上の取り組みJA全農

全農は、3つの畜産関連の研究所を有し、革新的な商品・技術の開発と普及に全国のJAと共に取り組んでいます。
ET研究所は、和牛受精卵を採取し、同日に別の牛へ移植する「シンクロET」に取り組んでいます。和牛繁殖農家にとっては、受精卵の収益力向上、酪農家にとっては、新鮮卵利用により受胎率の向上が期待できる技術です。
家畜衛生研究所は、疾病による事故率低減のため、牛の呼吸器病を一括検出できる検査(DNAチップ検査)等により病気の早期発見を支援しています。また、衛生指導も行っています(牛クリニック)。
飼料畜産中央研究所は、スマホ等で牛群管理する「Farmnote」や、豚の生産管理をする「Web PICS」を利用したシステムの普及に取り組んでいます。
様々な技術や商品を活用し、JAグループ一体となって生産者の所得増大、労務軽減に貢献しています。

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web会議ツールによる推進力強化および組合員満足度向上の取り組みベルフェイス株式会社

ベルフェイス株式会社では、オンラインでの商談・顧客サポート等を可能にする、営業に特化したweb会議ツール「ベルフェイス」を提供しています。このツールを活用することで、直販力の強化、組合員へのサポートの強化につなげることができます。また、業務効率も高めることができるため、「働き方改革」にもつながります。
展示会場では、「ベルフェイス」の実践デモンストレーションを紹介し、具体的な活用イメージを持っていただきました。

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クラウドによる「自己改革」 業務の効率化への取り組みサイボウズ株式会社

展示会場では、サイボウズ株式会社のクラウドサービス「キントーン」を活用した、業務効率改善とコスト削減を両立するシステムを紹介しました。農家の収益安定化を目的として、JAとの「農業のIT化推進連携」によって生まれた「有線放送代替システム」と「配送計画自動化システム」です。
「配送計画自動化システム」は、作業時間を1日あたり約8時間削減。また配送トラックへの積荷が効率的になることで、トラックの台数削減による費用削減、CO2排出量の削減に寄与します。
「有線放送代替システム」は、維持費が高く、運営困難となっている有線放送の代替システムとしてだけではなく、概況や市況などの情報が素早く共有でき、農作物の価格を安定させる出荷計画などが可能になり、農家の収益安定化に貢献します。

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農業用ドローンの活用(自動で薬剤散布と生育診断)株式会社ナイルワークス

株式会社ナイルワークスが開発した農業用ドローン「Nile-T18」は、作物上空30~50cmで自動飛行させるだけで、薬剤散布と生育診断を同時に実現します。事前に圃場を測量し、専用のタブレットに登録することで、飛行経路が自動生成されます。操作タブレットの開始ボタンを押すだけで離陸から散布、着陸までを全て自動で行います。また、ドローンに搭載した生育調査用カメラで作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、その診断結果に基づいて最適量の肥料・農薬1株単位の精度で散布する新しい精密農業の実現に取り組んでいます。
平成30年夏、水稲の安定収量確保と労力軽減を目的に、農業用ドローン「Nile-T18」での防除や追肥の実証実験をJAで実施しました。

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農業ICTの取り組み(Z-GIS・アピネス)JA全農

全農は、全国の生産者やJAの営農指導員・TACが活用するツールとして、営農・技術や青果物市況などの情報を提供するwebサイト「アピネス/アグリインフォ」を展開しています。
また、平成30年から圃場管理の効率化に向けて、圃場の所有者や栽培作物、日々の作業内容や収量などを記録したExcelデータをインターネット上の地図と関連付けて表示し、営農計画や農業収益の分析等を可能とする、クラウド型営農管理システム(Z-GIS)の提供を開始しています。
こうしたICTを活用した取り組みを通じて、全国のJAと協同して組合員の生産技術向上の支援に向けた取り組みを進めています。

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JAグループにおけるデジタルイノベーションの取り組み農林中金

JAグループは組合員・利用者にさまざまな機能やサービスを提供しています。今後はFace to Faceのコミュニケーションを大切にしつつ、デジタルを活用したサービスを提供していきます。具体的には、IoTや人工知能を用いて生産者の負荷やコスト低減に役立つAgTech(農業×テクノロジー)ソリューションを提供します。また、データ解析を活用した農業コンサルティング、Ag×FinTech(金融×テクノロジー)を連携させた付加価値の高い金融サービスを創造します。
農業と地域社会が抱える課題は関連しています。サービスをデジタルで融合し、地域社会が抱える課題を解決します。また、外部企業との協業や、ビジネスマッチング、アクセラレータープログラム、スタートアップへの出資等を通じ、新たなサービス開発を進めていきます。

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