安心のため管理徹底 タマネギのエコ栽培  - JAあしきた

わたしの地域のSDGs

 JAあしきたサラたまちゃん部会は、部会員全員が県知事からエコファーマーの認定を受けている。部会の取り組みは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「つくる責任つかう責任」につながる。
 部会は現在102人。生産には、農薬と化学肥料の使用を県の慣行レベルの50%以下に抑えるという、厳しい管理基準を設けている。
 苗床は太陽熱で消毒。土づくりには緑肥を使い、地元畜産農家と連携して堆肥も活用する。定植前は黒マルチシートを張り、雑草の成長を抑えて減農薬につなげる。
 2019年度は、これらの基準をクリアした2636トンを全国に出荷した。
 

1997年度から熊本型有機農産物の認証取得

 取り組みの歴史は古く、1997年度に県独自の生産基準に基づき「有作くん」(熊本型有機農産物)の認証を取得。同年度の全国環境保全型農業推進コンクールで、農水大臣賞を受賞している。
 多大な労力を要するにもかかわらず、こうした管理基準の下で生産する理由は、部員たちの「消費者に安心して食べてほしい」という思いだ。
 加えて、同部会の田畑和雄部会長は「私たち農業者は地域社会と共存し、助け合うことで生産活動ができている。そのため自然環境を守り、地域の人々の仕事や生活に悪影響を与えないようにするのは農業者の義務だ」と強調する。また、栽培面でも「必要な栄養素を効率よく吸収させるには、過剰な施肥などを減らし、長期的な生育環境を守ることが必要だ」と話す。
 部会は10年、20年先も変わらず、おいしいサラたまちゃんを作り続けるため、今後も持続可能な農業生産に取り組んでいく。(日本農業新聞2020年5月14日付県版熊本より)