物流再編で生産資材費低減へ - JAながの

全農と倉庫設置

 JAながのとJA全農長野は、JA全農長野が取り扱う肥料・農薬の新たな基幹拠点となる「JA全農長野井上生産資材倉庫」を須坂市に設置した。7月上旬にスタート式を行い、本格稼働を始めた。物流の効率化と商流の合理化により、「農家所得の増大」を目指す。生産資材物流改革の一環で、県内では初の取り組みとなる。

 JAは、生産資材のコストを抑えて組合員にメリットを感じてもらうこと、生産購買事業の収支改善を目的とする。2016年の北信5JA合併後から、統一した物流業務の運用と、各資材店舗の利用実態に伴った再編の検討を進めてきた。

 予約注文品などの配達拠点を効率的に再編することで、施設運営費用の圧縮と在庫負担を軽減し、仕入れに関わる費用を削減する。組合員への供給価格を下げ、渉外体制の強化にもつなげる。

 建物は上信越道須坂長野東インターの北側に位置し、総面積2030平方メートルの2階建て。JA井上果実共選所を改修した。

 スタート式では、JA営農部の山崎三成部長が「農家所得を向上させる上で、物流改革は避けて通れない道。組合員の期待に沿うために、資材費の低減につなげたい」と力を込めた。

 JAは中期3カ年計画の最終年度である21年度、持続可能なJA経営基盤の確立と自己改革を進める。JA運営で不変の施策に位置付けた「3+1」(サンプラスワン)を着実に実践。組合員、地域住民に必要とされるため、これまで以上に役割を発揮する考えだ。
(2021年7月15日付け  日本農業新聞 ワイド2信越より)