株間狭めタマネギ増収 - 静岡・JAふじ伊豆

所得向上につながる新たな栽培方法を発見

 JAふじ伊豆なんすん営農経済センターは、なんすん玉葱(たまねぎ)部会のタマネギの栽培で、株間を狭めて栽培する試験を行った。この結果、収量が増え、増収に結び付いた。新たな栽培方法を確立することで、収量増加による所得向上を目指す。

 従来は、株間13センチで10アール当たり約1万4000本を定植していた。試験では株間11センチに狭めて約1万8000本を定植した。2023年11月に部会員7人の畑に定植をし、24年の5月に収穫した。10アール当たり収量は昨年と比べて約700キロ増え、1人当たりの単価は最大で9万円の増加となった。

 部会では、2LやLなどの大玉サイズの出荷を狙って株間を広くしていた。試験では株間を狭めると玉同士がぶつかり合い、刺激となって玉が肥大し、出荷先が求める大玉サイズが多くみられた。規格外品も減った。同部会では部会員21人が約1・7ヘクタールに作付け、24年度産の収量は62トンだった。25年度産は、部会員全体で株間を狭めての定植を推奨していく。

 資材価格や原油価格の高騰で部会員の経営は厳しい状況にある。同JAなんすん営農経済センターの中村善昭営農アドバイザーは「価格高騰は防ぎきれないので所得向上につながる新たな栽培方法を発見できて良かった。結果を踏まえ、より良い栽培方法を検討していきたい」と話す。


<2024年9月18日(水) 日本農業新聞 ワイド1東海>