千葉県
キウイ産地 活気再び - 千葉・JAいすみ
初心者へ講習、園地整備
JAいすみキウイフルーツ生産部会は、部会員以外の初心者も招いて栽培講習に力を入れる。大玉で糖度の高い果実の生産や、キウイリキュールの販売も行い、消費者に産地をアピールする。いすみ市・勝浦市・大多喜町・御宿町を再び、キウイフルーツの産地として盛り上げようという機運が盛り上がっている。
同部会は約50年前に千葉県初のキウイフルーツ栽培を始めた。最盛期の部会員数は100人以上だったが、高齢化と海外産の台頭で2020年代は10人前後で推移している。しかし各地に木は残っていた。
そこで部会は21年、恒例の剪定(せんてい)講習会に初めて部会員以外からも参加者を募集。「家に木があるが、管理方法が分からない」などの理由で、約30人が集まった。
初心者の元へ、部会員が手伝いにも行った。いすみ市の若手生産者(28)は3年ほど前、借家の敷地に10年以上放置されたキウイフルーツの木が悩みの種だった。管理の知識がなく、密集した枝に困っていると、近所の生産者が助け舟を出し、部会員も駆け付けた。
若手生産者は「立ち入るのも一苦労だった場所を皆さんがきれいにしてくれた」と感謝する。今では部会員の作業を手伝い、栽培を学ぶ。
部会は、大玉で糖度の高い果実の生産や、キウイリキュールの販売も行い、消費者に産地をアピールする。11月下旬には大多喜町内で主要種「ヘイワード」を選果した。鈴木忍部会長は「今年は夏季の日照量が多かったので、追熟すればかなり甘くなる」と品質に自信を持つ。再び活気あふれる産地を目指して、部会の活動は続く。
<2024年12月7日(土) 日本農業新聞 ワイド2首都圏>
