RTK基地局の開局でスマート農業の普及・拡大を目指す - 兵庫・JA丹波ささやま

次世代農業の大規模化と労働力不足を補う

 JA丹波ささやまは3月中旬、スマート農業の普及拡大を目指して、自動操舵(そうだ)技術の活用を促進するため、衛星利用測位システム(GPS)より精度の高い位置情報が取得できるRTK(リアルタイム・キネマティック)基地局をJAの農機事業所で開局した。兵庫県内初の設置となり、開局を祝うセレモニーにJA丹波ささやま、JA全農兵庫、メーカー関係者らが出席し、テープカットを行った。

 開局したのは、簡易型RTK固定基地局システム。これまでスマート農業で使用していたGPSは無料の電波であるため、50センチ前後の誤差が発生していたが、GPSと基地局の2点間の位置情報を併用することで誤差をリアルタイムで補正して、誤差を2センチ前後まで小さくすることが可能になる。基地局から半径20キロまでが有効。ライセンスを取得することで使用が可能になる。

 農業者の高齢化や労働力不足、耕作面積の減少が課題となっている今、スマート農業技術を組み合わせて農作業の効率化と省力化を図り、スマート農機を活用した次世代農業で大規模化と労働力不足を補うことを目的としている。

 式典では、トラクターと田植え機の自動操舵を披露し、データの正確性をPRした。

 池本淳組合長は「地域の豊かな農業を守り、発展させていくためにもスマート農業を活用する環境を充実させていきたい」と話した。

 JAグループ兵庫は、RTK基地局の順次開局を予定している。今後、兵庫県全域がカバーできる基地局の開局を目指す。

<2025年3月20日(木) 日本農業新聞 ワイド2近畿>