地域特産米を2年かけ開発 豆殻堆肥で環境配慮も - 兵庫・JA兵庫西
地域資源を生かし、農業者の所得向上と農業生産拡大を目指す
JA兵庫西しそう営農生活センター(宍粟市山崎町)は本年、地域特産米「美味(おい)しそう米(まい)プレミアム」を初めて販売した。地域資源を生かした栽培と買い取り販売で、農業者の所得向上と農業生産拡大を目指す。
同センターは、JA栽培暦に基づき宍粟市山崎町内で栽培された米を買い取り、「宍粟市」にちなみ「美味しそう米」と名付けて販売。さらに付加価値を高めようと今回、地元生産者と「美味しそう米プレミアム」を2年かけて開発した。
同ブランドは「人と環境にやさしいお米」がコンセプト。「同町特産の丹波黒大豆の豆殻を堆肥として使用」「プラスチック被服肥料の不使用」「ネオニコチノイド農薬の不使用」の3点にこだわる。
品種は「コシヒカリ」と「キヌヒカリ」の2種類で、本年は、生産者2人が計1・2ヘクタールで栽培。2品種合わせて20キロ玄米88袋をシリアルナンバーを付けて売り出した。パッケージには市の地図や黒大豆のイラストをあしらい、裏面には三つのこだわりを記載した。
同センターが10月に開いた新米祭りで数量限定販売した他、JA管内のホテルや、市のふるさと納税の返礼品にも採用される。
10月下旬には、地域貢献活動の一環として宍粟市社会福祉協議会に「美味しそう米プレミアム」コシヒカリの玄米20キロ1袋を寄付。JA営農経済部の萩原昭吾部長が、同協議会の山崎支部の春名豊滋支部長に手渡した。寄付した米は、75歳以上の高齢者向け配食サービスの弁当に使われる。
春名支部長は「地元で取れたこだわりの米を、地元の人に届けたい」と話した。今後は、市への寄付も予定している。
同センターは、来年以降もコンセプトに賛同する生産者を募り、順次栽培規模を拡大していく方針だ。
<2025年11月8(土) 日本農業新聞 朝刊 ワイド2近畿>
