直売所集荷 地域つなぐルート便好評 - JAたじま

要望応え週3回に

 JAたじまのファーマーズマーケット「たじまんま」(豊岡市)、JAファーマーズ・たじまんま和田山(朝来市)の2店舗と但馬全域の農家をつなぐ「たじまんまルート便」が好評だ。運行開始から1年、出荷数の増加や出荷者からの要望に応えるため、8月からは週3回に1回増便した。

 2店舗には、出荷者が直接農産物を持ち込むのが原則。しかし、但馬地域は広く、店舗から遠く離れた農家や交通弱者が少なくない。そうした農家は、出荷したくても時間や採算が合わず、出荷が難しいのが現状だ。

 こうした課題を解決して農家を支援し、但馬全域から、各地域の特色ある農産物をより豊富に取りそろえるため、昨年6月に同便の運行を始めた。運行は週2回、1年間で89人が利用。両店舗の品ぞろえを一層充実させている。

 2店舗から約50キロ離れた新温泉町に住む、出荷部会員の中山貞太郎さん(77)も同便利用者の一人だ。昨年までは道の駅などに出荷していたが、コロナ禍で客足が遠のき、売れ行きが悪化。地元客でにぎわい、リピーターが多いたじまんま和田山には、遠方のため出荷できないと考えていたが、ルート便の運行をきっかけに出荷を始めた。

 片道1時間以上かかるたじまんま和田山まで行かなくても、集荷は同JA最寄りの営農生活センターで行うため、時間や労力が大幅に削減でき、出荷も安定した。中山さんは「採算がとれず一時は農業をやめなければならないと思った。農業が続けられてうれしい」と笑顔で話した。
(2021年8月6日付け  日本農業新聞 ワイド2北陸より)