営農支援にICT活用 - JAさいたま

空からの水田画像で収穫ピタリ

 JAさいたまは、情報通信技術(ICT)などを活用し、スマート農業による営農支援に力を入れている。2021年産の水稲では、人工衛星から撮影された水田の画像を基に水稲のもみ水分率を解析し、刈り取り適期を判断する試みを初めて行った。

 さいたま市内の水稲生産者を対象とした、解析結果の情報提供会を、8月下旬にJA馬宮支店で開催。11人の生産者へ個別に診断結果レポートを示しながら説明した。

 説明を受けた生産者は「複数の水田のもみの水分率が地図上で一目で分かり、どこから刈り取りを進めるべきかの判断に役立った」と話した。

 JAでは、農業ICTなどスマート農業による営農支援を一層強化するため、JA全農の営農管理システム「Z―GIS」を導入。人工衛星リモートセンシング「天晴れ」と連携させ、今回初めて水稲の刈り取り適期判断に活用した。

 人工衛星では一度に広域な圃場(ほじょう)を網羅した撮影が可能となり、精密な画像解析による圃場間の生育状況差などが一目で確認できる。

 先端技術を活用した画像診断で、農作物の生育状況や収穫適期を見える化することで、客観的な作業工程の計画、農作業の効率化・省力化、コスト削減、高収量化、高品質化が期待できるという。

 地域農業の担い手に出向くJA担当者(愛称TAC=タック)の黒須重信係長は「衛星画像で圃場を一括管理すれば作業が効率化できる。今後もICTを活用した担い手サポートを進めていきたい」と意気込む。
(2021年9月16 日付け  日本農業新聞 ワイド1首都圏より)