移動金融車で利便性向上 - JA静岡市

購買品の販売も

 JA静岡市は1日、同市葵区の中山間地の組合員や利用者への金融サービスの利便性を高めるため、移動金融車「オクシズ号」の運行を始めた。金融業務に加え、野菜の種子や食品など購買品の販売や予約の受け付けも行う。災害発生時には被災地に派遣し、金融機能を提供する。

 店舗統廃合でJA支店が遠くなってしまった中山間地の5地区で運行する。毎営業日、同市駿河区の同JA本店を出発。各地区週2回巡回する。

 JAバンクの「全国企画・移動店舗導入にかかわるリース費用助成」を活用。2トントラックを改良した金融車に、同JAマスコットキャラクター「こうふくろうず」や特産の茶畑などをデザインした。

 同市中山間地の愛称である「奥静岡」の「オクシズ」から「オクシズ号」と命名。同日、同JA本店で開いた出発式には同市の田辺信宏市長や同JAの大原正和組合長、地元理事ら25人が参加した。

 田辺市長は「オクシズ号の運行は、持続可能な開発目標(SDGs)の観点からも中山間地の生活の利便性向上につながりタイムリー」とあいさつした。

 大原組合長は「金融サービスを中心に、農業と地域振興のため、ニーズに応えさまざまな課題に対応したい」と話した。
(2021年10月5日付け  日本農業新聞ワイド2東海より)