30カ所に積算温度計 - JA秋田おばこ

高精度の水稲生育予測

 JA秋田おばこは2023年度から、管内の水稲圃場(ほじょう)30カ所に積算温度計を設置し、栽培期間中の気温計測による水稲生育予測を行う。現在利用している地域気象観測システム(アメダス)の気温データに加えて、地域間の温度差を細かく把握。生産者に情報提供し、穂肥や稲刈りなどの適期作業の一助にしてもらう。

 JAは、大仙・仙北両市と美郷町を管轄し、平野部から中山間地まで地形に富んでいる。これまでは、アメダスデータを基に、出穂期からの刈り取り適期を予測していたが、アメダス地点から離れた場所や標高差などで、予測精度に振れ幅があることが課題だった。

 そこで、各地域に合った精度の高い情報を得て、よりローカルな生育予測による情報提供をしようと、JA独自に積算温度計を導入。田植え日から計測することで、刈り取り適期だけではなく、出穂期の予測も可能となる。

 さらに、出穂期の予測から幼穂形成期や減数分裂期の穂肥時期を見極められる。これらの予測を適期作業に生かし、「秋田おばこ米」の品質向上につなげたい考えだ。


<2023年6月2日(金)付け 日本農業新聞 ワイド2南東北>