アスパラ増産対応

　ＪＡ筑前あさくらアスパラガス部会は増産体制へ向けた対応策として、選果拠点の中央パッケージセンター（ＰＣ）に高速計量機能搭載の最新の自動結束機１台を新たに導入し、従来の１ラインを２ラインへ拡充した。今年１月から７月末の生産者出荷数量が前年比１１８％の大幅増加に対応できた上、省力化によりアスパラガスに関わる選果員延べ人数を約２０％削減した。

　同部会は生産者３３人が合計５８５アールで春芽、夏芽アスパラガスを栽培。部会員数、生産面積拡大、１０アール収量の増加などで、今年１月からの生産者出荷数量は前年比１１８％の９８・３トン、１０アール収量が同１０８％の１・６トン（いずれも７月２６日現在）と大幅に増加。こうした生産拡大に対しＰＣの処理能力不足が課題となっていた。

　従来は選果機１台に対し、自動計量結束機を１台設置（選果員２人配置）していたが、処理が追い付かず選果員１０人が手作業で計量・結束をしていた。今回の増設で、計量・結束を機械に任せることができるようになった。結束機２台体制（１台につき選果員２人配置）となり、同作業に関わる選果員は導入前の１２人から４人に削減できた。

　園芸管理課の櫻木将俊係長は、手が空いた選果員を、人手不足である他品目の選果ラインに配置転換できたことで、選果場全体の作業効率も高まったと話す。「今後も選果作業の効率化について検討し、選果場全体の経費削減と、貴重な人的資源である選果員の作業効率を高めていきたい」と力を込める。

　今回導入した高速計量機能搭載の自動結束機は６月中旬に導入。投入口が８ヘッドのリニアブースター式の組み合わせで計量、１分当たり最大３４回という高速計量と高い精度が特徴だ。非常停止や巻き込みセンサー防止など安全性にも配慮している。


＜2023年8月12日(土)　日本農業新聞　ワイド２九州＞