冷蔵「シャイン」出番 - 広島・JA福山市

出回りの少ない時期に販売

 JA福山市沼隈ぶどう選果場は県内トップを切って、冷房貯蔵の「シャインマスカット」の出荷を始めた。広島市中央卸売市場では16日に初売りとなり、通常の9月期と同等以上の外観、食味に市場関係者も高く評価した。入荷した60キロは9月期の約2倍となる1キロ3510円で取引された。

 出荷最盛期の9月中旬に低温貯蔵庫に入れ2カ月間貯蔵した後に出荷する。全国的な生産量の増加で価格が急落している9月の販売を避け、出回りの少ない時期に販売し生産者の所得向上を目指す。

 貯蔵中の鮮度を保つため湿度保持キャップを軸に装着し、品質低下や過熟によるロスを防ぐ。一方、電気料金や資材費などの貯蔵コストが増えているため産地は試行錯誤を続けている。

 JA広島果実連の池田貴之技師は「出荷期間の延長は産地振興上の重要な課題となる。貯蔵技術の精度を上げることで生産者の所得を向上させたい」と話した。


<2023年11月19日(日) 日本農業新聞 エリア中国>