環境にやさしい特別栽培米のブランド化めざす - 兵庫・JA丹波ささやま

栽培概要や経営収支試算データを示して協力呼びかけ

 JA丹波ささやまは、環境に優しい栽培をするJA特別栽培米を新たに打ち出す。県が設定する慣行栽培に比べ、節減対象農薬の使用回数、化学肥料の窒素成分量を50%以下にしたもの。8月下旬には、取り組み生産者に向けた説明会を開き、栽培概要や経営収支試算データを示して協力を呼びかけた。

 JA特別栽培米は、持続可能な開発目標(SDGs)や環境を配慮する国内外の動きを受けたもの。JAで掲げる「自然調和型農業の実践」として自然環境に配慮した農産物の生産を進め、持続的な安定生産と品質維持を実現し、農家所得の増大を狙う。

 必須取り組み要件として、指定資材(肥料、農薬)の使用、土づくり、生き物への配慮と調査などが必要だ。3年間の実証実験を経て現在に至る。

 説明会には市内の米農家60人が集まった。JAの営農職員が栽培概要や、経営収支試算データを基に慣行栽培米と比較し、メリット、デメリットについて参加者に説明した。来年から取り組み農家による栽培を開始し、改善を重ね、栽培普及、生産者・生産量の確保、ブランド化による有利販売を狙う。

 JAの小川昌秀専務は「資材コストを抑えながら、消費者に選ばれる“安全・安心・良食味”の新しいブランド米として確立するためにも、協力してほしい」と参加者を激励した。


<2024年9月3日(火) 日本農業新聞 ワイド2近畿>