自治体と食と農で包括連携協定-大阪・JAいずみの
持続可能な地域づくりへ
JAいずみのと泉大津市は2月上旬、食と農を通じた持続可能な地域づくりに向けた包括連携協定を締結した。①市民の健康増進に関すること②地産地消の推進に関すること③都市農業の振興に関すること④環境に配慮した農業の推進に関すること⑤教育・食育に関すること⑥子育て支援に関すること──の6分野。
市は市民の健康増進・食糧危機への備えの観点から、「食と農」に関する施策を進めており、2024年7月に「オーガニックビレッジ宣言」を行うなど、学校給食での有機農産物の提供や市民が農業に触れる機会の創出に努めている。
JAと市は、有機農業の機運醸成や農業を通じた食育の推進への方向性が合致。JAの谷口敏信組合長と、地元農家の小西庸晴JA青壮年会会長、南出賢一市長が24年に行った3者協議が、協定締結のきっかけとなった。具体的な連携として、市内農地を活用した有機栽培を取り入れた体験型農園の開園、市民の農業体験などを展開する予定だ。
谷口組合長は「泉大津市はJA管内で比較的都市化の進んだ地域。都市部での農地活用がJAの課題でもあった。有機栽培はJAにとって挑戦だが、着実に進めたい」とした。
小西会長は「都市部は人口が減りにくく農業人口の維持に期待できる。市民の一人として気合が入る」と決意した。
南出市長は「市の農地は市の面積約14平方キロのうち約2・4%。あえて農地の少ない市で進めることに意味がある」と強調。また「持続可能な食の提供に努め、市民の健康を守るとともに食糧危機への備えのロールモデルを目指す」と述べた。
「『人』が大切、『緑』が大切。」を組合理念に掲げるJAは、地域に根差した持続可能な地域農業の実現へ地域に寄り添い、「食」「農」「くらし」の保全を目指す。
<2025年2月13日(木) 日本農業新聞 ワイド1近畿>
