農作業受委託事業でドローンの取り扱いを開始 - 神奈川・JAかながわ西湘

中山間地などの農作業省力化に向け、広域的な防除を後押し

 JAかながわ西湘は夏場や中山間地などの農作業省力化に向け、農作業受委託事業でドローンの取り扱いを始めた。5月中旬には、JAが農業経営事業を行っている南足柄市内山地区の水田で雑草防除散布を行い、組合員約10人が見学に訪れた。JAではこの事業を通じ、広域的な防除を後押しする考えだ。

 昨夏はカメムシの被害で不稔(ふねん)米が発生し、米の減収を余儀なくされた。カメムシ対策には適期の薬剤散布と広域での一斉防除が効果的だが、タンクを背負ったりするため、薬剤散布は農家にとって重労働だ。農家の高齢化も進み、作業の省力化は大きな課題だった。

 そこでJAは、ドローンの操縦を(株)コヤワタオフィスに委託。農作業受委託事業として位置付けた。水稲の防除と施肥作業、果樹の施肥作業が対象となる。

 稲作農家の鈴木達雄さん(81)は「地域の農家が高齢化しており、10年後に希望が見えない。米作りは田植えや収穫など人手がかかる作業ばかり。広域の農家と協力して、ドローンの活用を考えていきたい」と話した。

 営農部の臼井範雄部長は「カメムシ対策は、近隣農地で共同作業を行うことが大事。地域の生産組合が軸となり、防除に取り組んでほしい」と期待を込めた。

<2025年6月7日(土) 日本農業新聞 ワイド1首都圏>