カメムシ対策 ドローン防除で万全 - 埼玉・JA埼玉中央

ドローン2機常備とJA職員がオペレーター技能を習得し独自の受託作業を実施

 JA埼玉中央は本年度から、イネカメムシ対策としてドローンによる空中散布を始めた。機体を導入し、JA職員が免許を取得するなどJA独自の受託作業を行う。ドローンの常備とオペレーター技能習得の促進で、組合員の期待に応える。

 水稲の不稔(ふねん)や斑点米の原因となるイネカメムシ。主な対策は発生時期の適期防除だが、出穂時期の炎天下では、生産者の作業負担が大きい。

 昨年イネカメムシの被害が多かったため、ドローンによる薬剤散布のアンケートを実施。散布希望が多くあり、JA営農販売部では機体2機とオペレーター技能を習得した職員8人をそろえ、イネカメムシの防除体制を構築した。

 7月中旬から農業用ドローンによる空中散布を実施。散布範囲をあらかじめ設定することで手動での操縦は不要で、2メートルの高度を保ちながら自動航行で作業が完了する。一度に8リットルの薬剤搭載で1ヘクタールの散布が可能。10アール当たりの作業時間は約3分弱。人の手で散布する場合と比べ、格段に省力化が図れる。作業は、9月中旬まで続く見込みだ。

 JA営農支援課の岡安春夫課長は「農作業の負担軽減に取り組み、米の品質向上や収量確保に向けたサポートを強化していく」と話した。

 今後は機体と職員のオペレーター技能習得者を増やし、営農支援を広げていく予定だ。

<2025年8月5日(火) 日本農業新聞 ワイド1首都圏 >