アグリコンサル事業で農業経営支援を強化 - 神奈川・JA横浜
地元農業を支える新たな取り組みで農業所得向上めざす
JA横浜は、地元農業を支える新たな取り組みとして「アグリコンサルティング事業」を展開している。農業経営アドバイザーの資格を持つ職員が担当し、役割は農業経営診断や収益改善、販路開拓支援など多岐にわたる。「農業所得の向上」をキーワードに、6次産業化や最新技術の導入、新規就農者支援にも注力。課題解決へ改善策を提案する。
横浜市は高齢化や後継者不足が進み、多くの農家が経営継続や収益確保、技術承継に悩む。経済環境や気候変動の対応、流通や販路の多様化など経営課題は複雑化。さらに若い世代はIT技術の導入など、従来の枠を超えた相談の需要も高い状況を受け、JAは総合事業の強みを生かした農業経営支援の強化を図る。
JAのアグリコンサルティング事業は2023年度に始めた。担当者の他、営農インストラクターや支店職員がチームで動く。ヒアリングや生産現場の視察を通じて事業実態の把握と課題を洗い出し、6カ月を目安に改善策を農家と練る。その後は進捗(しんちょく)状況を確認しながら随時フォローアップを続ける。これまで18件の相談を受け、「実践的なアドバイスで経営基盤が築けた」と高い評価を得ている。
10月は、同市泉区のJA飯田支店でコンサルティングの最終報告会を実施。分析結果と改善策の提案を受けた小間園芸の小間一貴さん(40)は「生産する品目ごとに収益率を出すなど、数字の管理から見直したいと考えていた。経済状況が目まぐるしく変わる中で生き残っていくために改善策を生かしながら、園の方向性を定めていきたい」と話した。
農家の課題を総合的に解決することでJAの存在価値を高めることにつながる。担当するJA信用業務課の千葉克也係長は「一人一人の状況に応じた支援で、地域農業の持続的な発展に貢献していきたい」と意気込む。
<2025年11月25(火) 日本農業新聞 朝刊 ワイド2関東甲信越>
