水稲と園芸の複合経営で農業経営の安定化へ - 新潟・JAえちご上越
農業所得の向上へ向けて水稲の育苗ハウスを活用した園芸品目を導入
JAえちご上越は、農家所得の向上へ水稲の育苗ハウスを活用した園芸品目の導入を進めている。ブドウ、アスパラ菜、ナス、イチジクなど幅広い品目を提案。人気の「シャインマスカット」を中心としたブドウ栽培は15法人・個人に広がっている。水稲と園芸の複合経営で、農業経営の安定化につなげる。
水稲の育苗期間は約1カ月で利用期間は短い。育苗ハウスを活用した品目としては、以前から取り組むアスパラ菜栽培が定着しているが、より簡単に導入できる品目としてブドウを提案している。
管内のハウスブドウ栽培は2009年ごろからスタート。新潟県が遊休ハウスを利用したブドウのアーチ栽培をマニュアル化したことで、普及が加速した。短梢剪定(たんしょうせんてい)による無核栽培で、剪定時間を短縮できる。水稲育苗は通常通り行い、育苗箱の搬出後にブドウの枝葉が伸展する。
JAは、1アール当たり収量140キロ、1キロ当たり平均単価1400円を見込み、目標売上額を19万6000円に設定。導入の初期費用は、苗木やハウスの改修などで1アール当たり約7万円。肥料・農薬や出荷資材などの経費は1アール当たり4万5200円で、労働時間は30時間を想定する。1時間当たりの所得は、5027円を見込む。
管内のハウスブドウの主力品種は「シャインマスカット」。露地栽培と比べて防除回数が少なく、低コストで生産できる。植栽から結実までの期間が短いため、早期の収益確保も可能だ。作業スケジュールに合わせて現地指導会を開き、管理技術を高める。冬は小まめな除雪が必要で、情報発信を強化している。
主な出荷先はJA直売所「旬菜交流館あるるん畑」「ひすい食彩館」。1房1500~2000円で販売される。
上越市の久保田農場は、09年から育苗ハウスでブドウを栽培する。「シャインマスカット」「ピオーネ」「安芸クイーン」の3品種で始め、現在はハウス7棟で6品種を手がける。金井和行代表は「5月中旬に育苗ハウスから苗出しが終わるとブドウの芽かき作業が始まる。空きハウスの有効利用で収益を得られるのは経営のプラスになる」と話す。
同JAはブランドナス「越の丸茄子(なす)」のコンテナ栽培も提案している。
農業対策課の営農指導員、相澤義彦さん(38)は「園芸導入が進むよう、さまざまな品目を提案していく。情報発信に努め、普及に取り組みたい」と意気込む。
<2026年5月30(土) 日本農業新聞 朝刊 営農>
