白ネギの産地化着々  - JAみな穂

調製や播種 機械で効率化

 富山県のJAみな穂で白ネギの産地化が着々と進んでいる。同JAが農業者の所得向上を目的に特産化を目指している主力作物で周年栽培する。調製や播種(はしゅ)といった作業を機械化し作業効率を高めることで、生産規模を順調に拡大。6年目を迎える今年の栽培総面積は昨年より3ヘクタール多い10ヘクタールを目指している。

 同JAは21日、夏ネギ「夏山一本太」の播種(はしゅ)作業をJA白ネギ選別調製施設で行った。JAの営農指導員ら6人が播種機を使って苗箱約490枚(約1ヘクタール分)に種をまいた。3月上・中旬と4月上・中旬は秋冬ネギ「夏扇4号」の播種作業を行い、夏ネギと合わせて昨年より約500枚多い約3000枚(約6ヘクタール分)の苗箱に播種する予定となっている。播種後は管内農家の委託ハウスで育苗し、定植時期は夏ネギで4月中旬、秋冬ネギで5月上旬からの見込み。

 同JAが白ネギの生産を始めたのは16年。近隣JAも1億円産地づくり支援事業戦略品目として白ネギの生産に取り組んでおり、連携した産地化が可能なことや県産ネギは「富山しろねぎ」として、市場評価が高く販路と価格が安定していることなどから選定した。主な出荷先は中京圏の青果市場。

 17年までは朝日町の「旧あさひ営農経済センター大家庄野菜集荷場」で白ネギの調製作業を行っていたが、18年から入善町のJA旧野菜集荷場に移設。移設に伴い、皮むき・根切り・葉切り作業用の機械「ベストロボ」やコンベヤー一式を増設することで調製作業工程をライン化。17年まで1日約150箱だった調製作業を大幅に省力化し、1日450箱の調製作業が可能となった。

 19年からは新たに播種機を導入し、同施設での播種作業も可能となった。18年までは秋冬ネギ「夏扇4号」だけを栽培していたが、播種機の導入を機に夏ネギ「夏山一本太」の栽培も開始。年間を通して白ネギを栽培できる環境を整備した。16年に2433箱(1箱3キロ)だった出荷数量は昨年2万5100箱まで増加した。

 JAの高澤靖拡営農指導員は「特産化を目指し始めてから今年で6年目を迎え、栽培総面積、出荷量ともに順調に増えている。今後は生産者所得のさらなる増大を目指し、10アール当たり収量の向上に努めていきたい」と話した。(富山・みな穂)
(日本農業新聞2021年1月28日付ワイド2近畿より)