出向く営農指導 中小農家もくまなく - JA越後さんとう

相談サービス拡充へ

 JA越後さんとうは2021年度、「出向く営農指導チーム」を創設、始動した。地域農業の担い手に出向くJA担当者(愛称TAC=タック)による大規模経営体への巡回に加え、これまで出向く機会の少なかった中・小規模の生産者への相談機能を補完。営農相談サービスの拡充を目指している。

 JAは①農業者の所得増大②農業生産の拡大③地域の活性化──を自己改革目標に掲げ、出向く営農指導体制の強化に取り組む。

 JAでは全組合員世帯を対象に月1回、全ての職員による「外務活動」を実践している。しかし、訪問先で営農に関する専門的な相談や要望に応えられない場面があることが、課題となっていた。

 これらの課題解決に向けて設立したのが、「出向く営農指導チーム」だ。営農・経済担当職員53人からなる。5月中旬に、21年度営農計画書の確認と、産米出荷契約の取り交わしを中心に、約900件の訪問を始めた。

 営農担当職員の個別訪問を受けた、長岡市こしじ地区の今井宏さん(85)は「高齢となり、営農センターに出掛けることが大変になってきている。営農担当職員が出向いてきめ細かに指導してもらえるのは大変ありがたい」と活動を評価する。

 入組2年目のこしじ地区営農センター・石橋颯真さん(21)は「訪問活動を通じて生産者と対話をすることが勉強になる。さまざまな相談や質問に応えられるよう多くの知識を身に付け、農家に信頼される職員を目指したい」と話す。

 JAは今後の同チームについて、定期的な営農情報の配信や栽培日誌の確認、肥料農薬の予約受注などを中心に、組合員のニーズに寄り添った活動展開を計画している。
(2021年6月8日付  日本農業新聞ワイド2信越より)