冬場の契約キャベツ栽培が拡大 - JA晴れの国岡山

ブドウ・夏秋ナスと組み合わせ所得向上に

 JA晴れの国岡山真庭統括本部で、契約キャベツの栽培が拡大している。真庭市南部で冬の所得向上につなげようと、栽培が盛んなブドウ・夏秋ナスなどと組み合わせて栽培できる冬取りキャベツを導入。3年前から試験栽培し、2020年度から生産者を広く募り、面積拡大につなげている。

 本年度も広報誌にちらしを入れるなどして周知する。認知度を高め、品質管理を徹底しながら作付けを増やす。

 契約キャベツは、市場に左右されない価格や、出荷にかかる箱資材などが不要で、省力化、経費の節減につながるなど、利点が多い。

 主にカット野菜や冷凍食品用、飲食店などで利用される。核家族や共働きが増えるなどでカット野菜などの需要が高まる傾向も後押しし、県内でも生産量が増えている。

 50年以上栽培が続く同市蒜山地域では、夏から秋にキャベツを出荷する。栽培が広がり、本年度は蒜山地域で18戸約20ヘクタールのうち14戸が10ヘクタールで契約栽培する。

 南部地域でも昨年の1・8ヘクタールから2・7ヘクタールに拡大。管内全域で産地化が進む。キャベツ約1ヘクタールを栽培する妹尾農場の妹尾活明さん(47)は、試験栽培を始めた3年前から栽培。今シーズンは昨年12月中旬から出荷を始めた。

 9、10月に降雨が少なかったためやや小ぶりだが、寒さに当たり、非常に甘くおいしく仕上がった。妹尾さんは「作りやすく収量が取れるのが良い。来シーズンは、畑をローテーションして品質を向上させたい」と意欲を見せる。

 同統括本部は6月から翌年3月まで切れ目ないリレー出荷を目指す。来シーズンは南部地域で蒜山地域の収穫が終わる11月からの出荷を見据え、栽培指導を進める。


<2022年 2月 16日付け  日本農業新聞  ワイド2中国四国>