衛星画像で生育管理 - JA金沢市

適期予測や資料に活用

 JA金沢市は中期3カ年計画の最終年度を迎える中、スマート農業に注力する。営農経済部門では、持続可能な農業の実現に向けて、生産現場の課題解決へ最新技術の導入を進めている。

 同JAの担い手支援室を筆頭に、衛星画像を活用した営農管理システム「Z-GIS」を利用してスマート農業に取り組む。これまで紙で管理していた耕作者や品目、面積などのデータを、衛星画像の地図と結び付けてデジタル上で管理することで、リアルタイムで水稲や園芸品目の生育状況を色別で把握することができる。

 米穀販売課と連携し、随時更新される衛星画像を用いて生育観察を行うことで、追肥のタイミングや刈り取り適期を予測するなど活用の幅を広げている。ドローンを組み合わせて生育状況に応じた追肥、防除のタイミングや量などを新技術でカバーし農作業の効率化につなげる。

 2021年度から試験的に運用を開始し、本年度は会議資料や営農指導などの提案材料として使う場面も増えた。現段階では圃場(ほじょう)巡回と併用してシステムを活用することで、データの信ぴょう性を高めている。

 同JA担い手支援室の押田哲男室長は「ようやく現場で活用できるようになってきた。情報を可視化することで状況がより鮮明に写り、生産者との意思疎通も図りやすくなった」と話す。


<2023年8月22日(火) 日本農業新聞 ワイド1北陸>