加工・業務用キャベツで農業所得拡大 - JA山口県

契約栽培面積が3年で2倍

 JA山口県下関統括本部は、加工・業務用キャベツの契約栽培を増やし、2018年度産出荷量が300トンと過去最高を記録した。産地化を始めた15年度に比べ、面積は6ヘクタールで2倍、出荷量は3倍となった。目標の平均10アール当たり5トンも達成し、販売金額は1,500万円だった。
 加工・業務用キャベツは下関市菊川地区を主産地に12~3月に出荷。カット野菜大手のサラダクラブと取引する。
 高齢化が進む地域だが、契約栽培で経営の見通しが立てやすいとして着目。地区担い手協議会が協議を重ね、15年に6法人4戸が2.8ヘクタールで栽培を始めた。
 15年は95トンを出荷。16年産は4.5ヘクタールで176トン、17年産は寒波で90トンと落ち込んだが、18年産は大きく伸ばした。産地全体で栽培技術の底上げと、天候にも恵まれ、単位収量の安定が増収につながった。
 産地化を支援するJAは、畝立て整形機を導入。圃場(ほじょう)条件を均一化することで、移植機などが使いやすくなった。高温に強い苗もJA育苗センターが供給し、一斉防除で病害虫管理を徹底。大型区画圃場では、JAが購入した圃場内運搬機を貸し出し、投資負担と労力の軽減にもつなげた。
 販売では、経費が10%前後上昇すると見込み、段ボール箱から強化プラスチックコンテナに替えた。計画出荷の徹底で運賃コストも抑える。(日本農業新聞2019年5月31 日付中国四国版より)