主食米の生産コスト減支援  - JA庄原

法人、大規模向けに肥料、農薬積極提案

 新型コロナウイルスの影響で2021年産米の価格下落が懸念される中、JA庄原は、需要がある管内の主食用米の作付け維持に向け、農業法人や大規模生産者への省力化・低コスト資材の提案に力を入れる。大型規格中心の肥料・農薬の予約注文書で重点的に訪問。コスト削減による確実な農家所得の向上につなげる考えだ。

 JAは、法人・営農集団・大規模生産者向けの注文書を作成。200キロフレコンの肥料や40キロの箱施用剤など省力化・低コスト化が見込める肥料56、農薬80品目を選定。肥料の大口満車直行値引きなどを紹介する。

 新たに法人などが所有するドローン(小型無人飛行機)では、散布可能な除草剤と本田防除剤の基準暦を入れ、効率的散布、適期防除による資材費削減と省力化を勧める。

 東部営農センターは、JA全農ひろしまなどと連携し、大型経営体を訪問。20年産の生育状況や作付け品種の意向などを確認し、土壌分析の結果などを踏まえ、資材を提案する。展示圃(ほ)の結果やサンプル米の食味分析診断なども活用し、良質米の生産を支える。

 庄原市東城町で主食用米を約30ヘクタールで生産する法人の代表者は「コロナ下で米の需給が見通せない中、米の品質を維持し、コストを削減することが一つの課題。JAの営農指導や情報量に裏付けされた資材の提案は助かる」と話した。

 JAの瀬尾範芳専務は「地域の米作りを担う農業法人や大型農家の経営悪化は、地域農業の衰退につながる。低コスト資材や省力化の提案を進め、所得向上につなげたい」と話す。
(日本農業新聞2021年1月27日付ワイド中国四国より)