遊休地に体験農園開設へ  - JAなごや

農ある暮らしサポート

 JAなごやは、4月から名古屋市名東区に遊休農地を再生した体験型農園をオープンする。給水設備、休憩施設、農機具・農業資材が常設され、手ぶらで来ても農業が楽しめる。自分で育てて自分で食べる「自産自消」をテーマに、さまざまな形で農ある暮らしのサポートを目指す。

 JA管内では現在、港区、中川区、緑区、守山区で農業が盛んに行われている一方で、名東区、千種区は特に農地が少ない。これまで農業イベントが多く開催されている港区、中川区へ足を運ぶにも時間がかかるため、名東、千種両区からの参加者が少ない。身近で農業を体験できる場所として農園を開設する。

 敷地面積は1140平方メートルで1区画15平方メートルの全36区画。募集は1区画単位とし、第一次募集を2月中旬からスタート。農業初心者をはじめ家庭菜園経験者など、多くの参加申し込みがあり、募集は順調に推移している。

 2021年度の開園期間は4月から翌年2月までで、自分が育てた野菜は自分で持ち帰ることができる。この他、期間中は農業従事者による講習会が毎月行われ、栽培技術などが学べる。また、同農園で行われる農業イベントにも参加できる。利用料は年間4万8000円。

 20年3月から経済部職員を中心に圃場(ほじょう)選定から始めた。その後、遊休農地を所有する猪高支店管内の組合員農家と交渉を進め、農園用地を確保した。組合員農家にとっても遊休農地を農地のまま保有できるなど、メリットも多い。

 今後、JAでは管理が難しくなりそうな生産緑地所有者である組合員農家をサポートし、農園事業などの新しい農業の形を追求していく。
(2021年2月11日付 日本農業新聞ワイド2東海より)