直売所で地元のジビエ販売 - JAかながわ西湘

鳥獣害対策に一役

 ジビエ(野生鳥獣の肉)料理をご自宅で――。JAかながわ西湘農産物直売所「朝ドレファ~ミ●」成田店で20日からジビエ肉の販売を始める。JA曽我支店鳥獣被害対策委員会が地元で捕獲した鹿やイノシシを処理施設で解体し、精肉にしたもので、一般消費者向けの販売は初めての試み。JAでは「日常的な食材として普及し、鳥獣被害対策の推進につながればと」と期待している。

 同委員会は、野生動物による農作物の被害を防止するため、2017年から同委員会の稲毛竹男代表を中心に小田原市曽我地域を拠点に活動を開始。メンバーは18人で、19年度はイノシシなど約90頭を捕獲した。

 当初は捕獲した個体を埋設したり、市の焼却場へ持ち込んだりしていたが、労力の軽減と有効利用を踏まえ、数年前から一部を松田町にある加工処理施設「しおやジビエ処理場」へ食肉用に加工を委託。イベントを通じてイノシシ汁を販売するなど、普及活動にも力を注いできた。

 直売所で販売するジビエ肉は、イノシシと鹿肉。一般家庭で食べられる量の300グラムとし、トマト煮や梅みそ漬けなどのオリジナルレシピも作成し、気軽に手に取ってもらうように工夫した。

 このレシピは曽我地区で農地再生プロジェクトの活動をする「そがやまみらいプラン」事務局で管理栄養士の山谷智子さん(58)。「自宅で簡単にできるレシピばかり。肉の臭みもないので、毎日の食卓の一品として食べてもらえれば」とPR。

 同委員会の本多久義副委員長も「ジビエ肉の地産地消に力を入れていきたい」と話し、消費拡大に思いを寄せている。

編注=●は八分音符