無料職業紹介所に初の外国人求職者 - JA金沢市

「加賀れんこん」収穫を希望

 JA金沢市担い手支援室が窓口となって取り組む「無料職業紹介所」が成果を上げている。担い手の労働力を確保し、農業生産の維持・拡大を支援しようと、2019年5月に紹介所を開設。これまで約50件の求人農家に対し、全て求職者をマッチングさせている。2月には初めて外国人求職者との面接に応じた。

 初の外国人求職者は金沢市在住の43歳のフランス人男性。2月中旬に同JA本店で面接を行った。男性は11年、訪日外国人を対象としたフリーランスの旅行営業マンとして来日。金沢に住んで10年目を迎えた。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で訪日外国人客が激減し、回復もはっきり見込めない中、当面の仕事を確保しようと、JAの無料職業紹介所に求職した。

 働き先として希望したのは、加賀野菜「加賀れんこん」を栽培する担い手農家。収穫シーズンの長い品目を選んだ。農業で働きながら外国人旅行客が回復するのを待ち、再び旅行営業マンとして復帰したい考えだ。

 JA側はタブレットで加賀れんこんの収穫作業風景を見せたり、マッチングできそうな業務日数の提案を行った。男性は「仕事がなく運動不足にもなりがちなので、体力を生かしながら収穫に挑戦したい」と話した。

 担当したJA担い手支援室の押田哲男課長補佐は「担い手側の要望と求職者の条件をなるべく互いに近づけられる提案を第一にマッチング数を継続して増やしていきたい」と話す。今回の求職者に対しては、求人農家にこの日の面談内容を伝えた上で早々に結果を伝える。
(2021年2月28日付 日本農業新聞エリア北陸より)