ブロッコリー専用肥料で省力化  - JA佐久浅間

微量要素を配合

 JA佐久浅間は生産者の要望を受けてブロッコリー専用肥料を開発し、2月から発売を始めた。生理障害対策として元肥と一緒に投入していたホウ素などの微量要素肥料を配合し、作業の省力化を実現した。JAのブロッコリー生産量は県内1位。品質の安定と省力化で生産拡大に弾みをつけたい考えだ。

 JAはブロッコリーを基幹品目に位置付け、主に管内の小諸市、御代田町、東御市で栽培。昨年6月には、同町の小沼予冷庫にブロッコリー共選所を新たに稼働するなど、生産力の強化を進めている。2020年度はJA全体の市場販売額は19億2600万円で、21年度は22億円を計画している。

 名称は「さくあさまブロッコリー専用」で、1袋20キロ。2月上旬で約3800袋の予約があり、春作業用として供給のピークを迎えている。

 開発前までは元肥と合わせホウ素を含む微量要素肥料を10アール当たり4~6キロまいていた。生産者から「時間と手間が掛かる」との相談を受け、専用肥料の開発に着手した。

 JA全農長野とJAアグリエール長野と連携。JA営農経済部生産資材課と営農指導員が、土壌分析と試験栽培を重ねてきた。

 土壌分析の結果、リン酸とカリウムが過剰、苦土が不足している傾向が判明。実態に合わせ、窒素、リン酸、カリウム、苦土の成分をバランスよく配合した。また、アブラナ科のブロッコリーで出やすいホウ素欠乏の対策として、ホウ素を0・4%加えた。

 開発に携わったJAあさま西部営農センター南大井事務所の高木朋紀係長は「試験栽培の結果は上々だった。大勢の生産者に効果を実感してほしい」と期待を込め、活用を勧めている。
(2021年3月10日付 日本農業新聞ワイド1信越より)