「超特急」で旬お届け  - JA十和田おいらせ

農産物輸送費減に期待

 JA十和田おいらせは12日、農産物の新幹線輸送に初めて挑戦した。東京駅のグランスタ東京内で開催している東北の活力を伝えるイベント「TOHOKUフェアin東京駅」で販売する。JAは今回を足掛かりに、夏場の収穫シーズンから旅客用高速バスでの輸送も計画する。

 新幹線輸送は、県内JAで初の試み。この日は、旬の山ウドや小松菜、アスパラ菜など、取れたて野菜8種類の他、ナガイモの真空パックや黒ニンニク、リンゴなどを用意した。新青森駅発で東京行きのJR東北新幹線に段ボール120サイズ、15梱包(こんぽう)を積み込んだ。

 斗澤康広専務は「鮮度保持が課題で届けられなかった農畜産物を小ロットでも、輸送費のコストカットにより実現できる。鮮度の良い農産物を速く確実に提供できる仕組みを構築していきたい」と強調する。

 今回の取り組みは、産地振興を目的とした農業ブランドのコンサルティング会社アップクオリティの働き掛けがきっかけ。JAは昨年10月、ファーマーズ・マーケット「かだぁ~れ」をオープンし、多種多様な野菜をそろえることが可能となり実現した。

 物流の課題として、運転手不足や燃料費の高騰などによるコスト高がある。新幹線や旅客用高速バスの空きスペースを活用することで、輸送コスト低減も期待できる。さらに少量を求める首都圏周辺の飲食店や消費者にも、より鮮度の良い状態での供給が可能だ。

 旅客用の高速バスでの輸送は、同社を通じ地元バス会社と協議している。
(2021年3月14日付 日本農業新聞エリア東北より)