地域農業守るぜ ドローン水稲防除チーム - JAレーク滋賀

担い手と連携して誕生

 JAレーク滋賀大津北営農経済センターは、地域の担い手2人とともに、ドローン(無人小型飛行機)を活用して水稲防除作業を受託するチームを結成した。高齢化で各集落による共同防除が難しくなる中、JAと担い手が連携して地域農業の維持発展につなげていく。

 チーム名は「Lake sky otsu」。全国に先駆けてさまざまな農作業にドローンを活用してきた田中章吾センター長を軸に、担い手の西村幸雄さんと森元直紀さんが参加する。

 これまで大津市内では各集落で共同防除が行われてきた。昨年度の市内の共同防除は40集落で約300ヘクタール。高齢化や後継者不足などで取り組む集落が減少し、品質低下や耕作放棄地増加などが課題となっている。特に市北部は中山間地が多く作業が困難な農地が多いため、JAに防除作業を委ねたい意向が強い。だが、JAが請け負う水稲防除は約160ヘクタールに上り、これ以上の作業請負は厳しい状況となっていた。

 そこで同センターはドローンを導入した担い手にオペレーターとしての参加を提案した。担い手から「導入したドローンを有効活用できる。JAが窓口となることで、農地の確認や精算事務などの心配がなく、安心して作業ができてありがたい。ぜひ一緒に作業させてほしい」と力強い返答をもらい、今回の新チーム誕生につながった。

 担い手が所有するドローンは同JAが所有する機体と同一機種で、地域農業の担い手に出向くJA担当者(愛称TAC=タック)が販売し、導入を支援した。ドローンの有効活用で、参加した担い手の所得向上や経営安定にもつなげる。

 8月上旬には、大津市の比良山系の麓に位置する田んぼでドローンによるカメムシ類の防除を行った。21ヘクタールの防除作業を約3時間で終えた。集落の農家は「共同防除では大変苦労したが、楽になってよかった」と喜んだ。

 同JAは「今後もドローンを活用したスマート農業の可能性をアピールしながら、受託面積を増やしていきたい。地域の担い手・生産者と、一番近い存在であるJAが手を取り合い、地域農業は地域で守るための取り組みを促進していきたい」としている。
( 2021年9月1日付け  日本農業新聞 ワイド2近畿より)