地域でSDGs みつろうラップから-JA利根沼田

プラごみ削減へ期待

 群馬県立沼田女子高校家庭クラブ・食物部の生徒22人とJA利根沼田は7月中旬、沼田市上之町の「JA農産物直売所」と同市久屋原町の「食彩の森」の2店舗でみつろうラップ販売会を開いた。同校生徒が手作りしたみつろうラップ40枚を販売した他、食物部が国産レモンを使用したパウンドケーキ154個を販売した。

 「みつろうラップ」は蜂蜜採取の際に採れる蜜ろうを布に塗り、食品ラップのように食品の保管に使う。電子レンジでは使えないものの、水洗いすれば何度も使える。天然のワックス成分で、食品を乾燥から守れ、プラスチックごみ削減の効果も期待される。

 2020年からレジ袋有料化が義務化されるなど、全国的にもプラスチックごみを削減する動きが高まる中で、みつろうラップの販売を通じ、環境資源や持続可能な開発目標(SDGs)について同校生徒や地域住民らに考えるきっかけを作る。同校とJAがSDGsの活動を協力して行うのは初めて。

 販売会では商品の説明を書いた看板を設置し、来店者からの質問にも丁寧に対応して、両商品とも販売開始から数時間で完売した。また、同市内では同校吹奏楽部による演奏もあり、盛り上がった。

 同校3年生家庭クラブの関上理沙さんは「多くのお客さんに買ってもらえてうれしい。販売会を通じて地域住民にみつろうラップを知ってもらえる貴重な体験ができた」と話した。

 食物部の岩根悠里さんは「緊張したが、お客さんがとても親切に接してくれた。同じような機会があれば、次もやってみたい」と話した。
(2021年8月10日付け  日本農業新聞ワイド1北関東より)