ウニの餌にキャベツ活用-JA新いわて

水産資源保持へ一役

 岩泉町の小本浜漁業協同組合は2021年度、過剰に生息するウニを漁港などに移殖し蓄養する試験に取り組む。7月下旬、ウニの餌となる規格外キャベツの収穫が岩手町で行われた。今回収穫したキャベツをウニに与え、需要が高まる年末年始に出荷できるか調査していく。

 キャベツは、ウニの餌となることが知られている。ブランドキャベツ「いわて春みどり」の生産地として知られる岩手町から調達のめどが立ち、今回約2トンを収穫した。

 収穫したキャベツは冷凍庫で一時保管し、10月ごろから給餌してウニの実入りなどを確認していく。

 県内の海域では、ウニの過剰発生などによる「磯焼け」の影響により、ウニやアワビの漁獲量が減少している。小本浜漁業協同組合は、町の事業などを活用し、磯焼け対策やウニの蓄養試験に取り組む。

 JA新いわての畠山栄一常務は「JAでは持続可能な開発目標(SDGs)に取り組んでいる。われわれが生産する農畜産物で県内の水産資源を守る一助になればうれしい。課題解決に向けて共に取り組み、地域の活性化につなげていきたい」と話す。
(2021年8月11日付け  日本農業新聞ワイド1東北より)