稲田桃 入院中の子どもに提供 - JAグリーン大阪
近大と連携し地域貢献
JAグリーン大阪は近畿大学と連携し、地域貢献を目指した活動に取り組み始めた。地元の特産である「稲田桃」のデザートを作り、地域の病院に入院する子どもたちに供給。今後は健康野菜として注目を集める「オカワカメ」の新たな加工品開発などにも挑戦していきたい考えだ。
同大学では、大学の知見を生かし、新型コロナウイルス禍の克服に貢献しようと、2020年に72件、21年には53件のプロジェクトを企画。その一つ「ポスト・コロナを見据えた東大阪まちおこし支援」にJAが賛同する形で、今回の連携が始まった。
第1弾の取り組みが「稲田桃」のジャムを使ったデザートを、同大学奈良病院(生駒市)に入院中の子どもたちへ提供することだ。「稲田桃」は、古くから東大阪市の稲田地区で栽培されていた在来種。明治時代に大半が枯死したが、2000年ごろに市民ボランティアによって復活。10年にJAに苗木が寄贈された。
JAが「稲田桃」を同大学に提供。8月上旬に大学食品栄養学科の学生が、同病院栄養部スタッフの指導で調理した。小児病棟に入院している子どもたち約30人に「稲田桃」を使ったパイを振る舞い、喜ばれた。
JAと同大学では、地域貢献につながる次なる活動に取り組む考え。7月下旬には同大学農学部食品栄養学科の上嶋繁教授や木戸慎介准教授らがJAを訪問。JA営農経済部の堤下洋部長と「オカワカメ」の加工品開発など今後の連携の可能性などについて話し合った。
「オカワカメ」は、ツルムラサキ科のつる性多年草でワカメのような食感が特徴で、ミネラルを豊富に含む。JAは農家所得向上に向け、特産化を進めている。
JAの堤下部長は「近畿大学と共に地元農産物のPR活動と地域貢献活動に取り組んでいきたい」と意気込んでいる。
(2021年9月10日付け 日本農業新聞ワイド1近畿 より)