摘果リンゴ 地元銘菓の原料に - JAみなみ信州

生産者の収入増に一役

 JAみなみ信州は、銘菓「りんご乙女」の原料となる摘果リンゴの受け入れを9月中旬まで手がける。「りんご乙女」を扱う高森町の(株)マツザワと協力。本来は廃棄する摘果リンゴが農家の手取り増につながっている。2022年は7月中旬から9月20日まで、農家40戸から19回・38トンの受け入れを予定している。

 7月下旬には9戸が374ケース(1ケース10キロ)を持ち込んだ。松川町の子白渉さんは「本来は捨ててしまうものを原料として受け入れてもらえて、収入となるのでありがたい」といい、この日、125ケースを運んだ。

 摘果リンゴの受け入れは10年ほど前からJAと同社が協力して始めた。「りんご乙女」の原料としてサイズや酸味がちょうど良いという。22年も比較的加工しやすく、味も良い「ふじ」だけに品種を限定している。

 21年からはそれまでの56~72ミリより大きい摘果リンゴも「大」として受け入れを始め、シードルやアップルパイなどの原料にする。農家にとっては受け入れの幅が広がりさらなる収入増となる。

 同社の森本康雄取締役は「新型コロナウイルスや世界情勢の影響で原料の確保が困難な中でも地元産にこだわり製造をしていくためには、地域に根差したJAとの連携が必要」と話す。

 22年からは小麦粉も県内産に切り替え、できるかぎり地元産にこだわった商品を製造している。

 「りんご乙女」は、ベルギーを拠点とする団体の審査で09年から14年連続で最高位三つ星を受賞。環境に配慮して今年からトレーや包装を紙に変え、内容量は同じままコンパクトにリニューアルした。


<2022年8月23 (火)付  日本農業新聞  ワイド2信越>