22年産ブドウ販売33億円、過去最高に - JAふくおか八女

改植や有利販売戦略が結実

 JAふくおか八女ぶどう部会は、2022年産ブドウの販売高で過去最高となる33億円を達成した。長期化する新型コロナウイルス禍や高齢化に伴う部会員、栽培面積の減少など厳しい状況下での快挙となった。

 5~10月の販売実績は数量1973トン、金額33億3289万円。長年にわたり、人気品種への改植や有利販売戦略を進めてきたことが実を結んだ。

 同部会では販売単価向上に向けて、計画的に消費者ニーズの高い「種無し巨峰」「シャインマスカット」といった無核ブドウへの改植を進めている。また、ブドウの房をあえて小ぶりに仕立てることで、着色・食味が良く、市場に好まれるパックサイズのブドウ作りに力を入れている。

 販売面では、品種別販売計画や生育状況などの情報を活用した事前商談により、売り場の確保・拡大に貢献。加温、無加温、トンネル栽培と作型を変え、約半年にわたるリレー出荷を行うなど高品質、安定供給に努めてきた。

 同部会では、316人が156ヘクタールに作付けする。10年前と比較すると人数は7割、栽培面積は8割にまで縮小している一方で、販売高は年々増加傾向にある。今後は栽培技術の向上や重点市場を中心としたブランド力の強化、市場の特性を生かした有利販売を推し進め、一層の生産者の所得増大を目指していきたい考えだ。

 同部会の溝田正忠部会長は「過去最高の販売高を記録できたのは生産者、JA、市場の密接な協力があってこそ。燃料や生産資材の高騰が続く今だからこそ、それぞれが最大限努力し、さらなる販売単価の向上に励んでいきたい」と意気込みを語った。


< 2023年 1月 6 日(金)付け  日本農業新聞  ワイド2九州>