ウニの餌に規格外キャベツを提供 - JA鳥取中央

JF鳥取県漁協に週150個を提供

JA鳥取中央倉吉秋冬野菜生産部は11月中旬から、ムラサキウニの餌として、虫害などで出荷できないキャベツの鳥取県漁協への無償提供を始めた。沿岸でムラサキウニの大量発生による藻場の衰退が問題になっており、新しい価値を付けて販売しようと県漁協が提案し、試験的に始めた。

 県漁協はウニ漁港内養殖技術開発試験として2カ所の漁港内で計5000個の試験養殖を実施。ウニは食欲旺盛な上、身の入りや味に効果的な餌の安定的な調達が難しく、県や普及所に相談して同部に行きついた。

 同部は55戸が10・8ヘクタールでキャベツなどを栽培。今年は4万ケース(1ケース10キロ)の出荷を計画し、キャベツはブランド力を向上させるため厳しい選果基準をクリアしたものだけを出荷する。県漁協の依頼で規格外のものを週に一度、150個提供することになった。

 同部は倉吉市のJA本所で12月中旬、鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生目指して」実行委員会から、「鳥取の豊かな海の再生応援団」の認定証を受け取った。同部の高岡錦稔部長は「農業と漁協でこれまで接点があまりなかったが、食に携わるもの同士、今後も協力していけたら」と話した。


<2022年 12月 28日 (水)付け  日本農業新聞  ワイド2中国>