水稲環境負荷軽減めざす 被覆代替肥料で実証-JAグリーン長野

収量・品質調査へ

 JAグリーン長野は5月下旬、JA全農長野と連携し、水稲栽培で使う被覆肥料「LPコート」の代替肥料の実証実験を長野市松代町で行った。プラスチック不使用の肥料への代替が、同JA管内で効果的かどうかを検証する。

 LPコートは肥料成分の溶出速度をコントロールすることで、省力化や生産性の向上につながる。しかし一方で近年、被覆殻が海洋に流れるなど環境負荷が懸念される。JAの防除暦上のJAオリジナル「水稲一発肥料2」にも使われている。

 全農長野生産購買部生産資材課の要請で、JA営農販売部営農指導課で水稲を担当する神戸秀夫課長が実験圃場(ほ じょう)を提供した。2022年度も同様に試験したが、散布時の機械トラブルで正確なデータが取れなかったため、改めて検証することになった。

 今回は田植え機搭載の肥料散布機で苗の定植と一緒に、11アールに片倉コープアグリの「マイルドキープ(反応緩和剤入化成)」33キロを散布。

 慣行肥料に比べ、窒素含有量が2%多いことなどを含め、今後の生育状況を確認する。

 収穫時には収量と品質を検査し、有効性を検証する予定だ。神戸課長は「SDGs(持続可能な開発目標)にもつながることなので、結果に期待したい」と話している。


<2023年6月7日(水)付け 日本農業新聞 ワイド1信越>