直売所 施設で訪問販売 -埼玉・JAくまがや

1人暮らし用の少量野菜も用意

 JAくまがや農産物直売所ふれあいセンター箱田店は、熊谷市の社会福祉法人熊谷福祉会はなぶさ苑中央デイサービスセンターに訪問販売活動をし、利用者から好評を得ている。

 直売所での買い物が難しいデイサービスの利用者から、施設で訪問販売をしてほしいと依頼があり、はなぶさ苑が道を挟んで向かい側にある箱田店に相談。2022年6月から訪問販売を始めた。

 毎月3日間、午前の部と午後の部の2部制で開催。平均で20人前後が利用する。事前にはなぶさ苑から希望する商品の連絡があり、その中から抽出した商品を箱田店の店長が施設内に搬入。用意された机や棚に商品を陳列する。

 旬の野菜や果実をはじめ、菓子や調味料も用意する。1人暮らしの利用者が多いため、直売所で販売するよりも少量の野菜を袋詰めするなど工夫する。訪問販売のオリジナル商品として、タマネギ、ジャガイモ、ニンジンが入った「カレーセット」も販売。必要な量だけ手に入るため、利用者から好評だ。

 はなぶさ苑のスタッフも利用者の買い物をサポート。商品の袋詰めや運搬、会計など、箱田店とはなぶさ苑が協力し合い訪問販売を運営している。

 利用者は「訪問販売を毎月楽しみにしている。直売所の店長が商品について説明してくれるので、安心して買い物ができる」と話した。

 箱田店の長島潤一店長は「訪問販売を通して利用者の健康や生活の手伝いができればいい。地元の介護施設とのつながりを大切にしていきたい」と話した。


<2023年9月12日(火) 日本農業新聞 ワイド2首都圏>