生産者のタッピング作業をJAが受託 - 北海道・JAところ

生産者の労力を軽減し、面積維持

 オホーツク管内のJAところは、玉葱(たまねぎ)茎葉処理施設を完成させた。従来は生産者が個々で行っていたタッピング作業を、今後は同施設でJAが作業を受託。収穫直後の茎葉付きタマネギのタッピング作業を行うことで生産者の労働力軽減を図り、作付面積を維持するのが狙いだ。

 タッピングは、枯れた茎葉が付いた状態で収穫されるタマネギの茎葉を切り落とす作業。タッピングを行う機械を定置タッパーといい、定置タッパーで落としきれない茎葉は手作業で切り落とす。生産者は今後、JAに委託できる。

 同施設は、農水省の「産地生産基盤パワーアップ事業」を活用して建設した。

 総面積は1200平方メートルで、事業費は6億8839万円。昨年4月に着工し、11月下旬に完成。12月中旬から、試験運用を始めている。1日当たりの処理能力は鉄コンテナ約120基。

 生産者の高齢化と後継者不在による労働力不足が顕在化し、管内では、今後の作付面積の維持が課題となっている。

 同施設は労動力負担を軽減するため、地域の生産者から長年要望されてきた。タッピングをJAが受託することで、生産者の労働力軽減を図り、作付面積の維持によるタマネギの安定的な供給が期待できる。

 昨年12月下旬には、施設完成を祝って竣工(しゅんこう)式を開いた。来賓や関係機関・JA職員ら約40人が出席した。来賓ら5人が起動ボタンを押して、施設の誕生を祝った。

 JAの川上和則組合長は「生産者の労働力の軽減と所得向上が期待される。タマネギは生産者の経営安定に欠かせない基幹作物で、新施設の効果に大いに期待している」と力強く語った。


<2025年1月13日(月) 日本農業新聞 ワイド2北海道>