みかんパワーアッププロジェクトを展開 - 静岡・JA大井川
かんきつの産地維持・生産基盤強化
JA大井川は、かんきつの産地維持・生産基盤強化に向け「みかんパワーアッププロジェクト」を展開し、同JA柑橘(かんきつ)生産部会の支援を進めている。今年はドローンなどスマート農業の研究や新規就農支援事業の開始など取り組みを発展させる。
同部会には220人余りが所属するが高齢化が進み、担い手不足が深刻化している。さらに園地は急傾斜地が多く、作業負担も大きく対策が急務となっている。
同プロジェクトは栽培面積80ヘクタール、生産量800トンの維持を目標に2023年度にスタートした。同JA営農経済部の他、県やJA静岡中央会、JA静岡経済連の職員合わせて22人が「生産」「販売」「ヒト・農地」の3グループに分かれて、定期的に具体策を協議している。
これまでに、部会員を対象に「生産者意向調査」を行い、後継者の有無や今後の栽培について展望と課題などを把握した。意向調査を基に将来の園地の姿を地図にして「見える化」した。新規就農支援に向けて、がんばる新農業人支援事業の指導農家の選定などに取り組んだ。
25年度は、作業の効率化・省力化のためドローンをはじめとしたスマート農業や猛暑と秋以降の高温対策について、県などと連携して研究する。直売先を増やし、生産者所得向上を目指す。
産地維持に向けて「見える化」した地図を基に園地集約の可能性について生産者を交え協議する。新規就農希望者を受け入れ、指導農家の下で担い手を育成する。
生産部会の長田隆俊部会長は「プロジェクトの存在は生産者の支えだ。JAと共に新規就農者を増やし、一緒に産地を盛り上げたい」と話す。
プロジェクトのまとめ役、同JA営農経済部果樹林産センターの澤本順也センター長は「生産者とプロジェクトが一体となって10年後を見据えた産地を形成する」と意気込む。
<2025年1月9日(木) 日本農業新聞 県版静岡>
