葉ニンニクで所得増 - JAあつぎ
山間部へ栽培拡大
JAあつぎは、鳥獣被害に強い葉ニンニクの作付け提案を積極的に行い、生産品目の拡大と特産化に向け動きを強めている。2016年から清川村で開始した葉ニンニク栽培は、鳥獣被害が深刻化する厚木市の山間地区にも広がり、現在は生産者が34人まで増加。栽培面積も、JA管内で約26アールとなるなど、生産強化とともに農家所得の向上につなげている。
栽培されているのは、葉ニンニク専用品種「ハーリック」。葉幅が広く、収量性が高いことが特徴。軽量で収穫や荷造りがしやすいなど、高齢化が進む地域でも栽培しやすい他、うろこ形を肥大させる必要がないため、狭い山間部の農地でも栽培できる。
栽培はマルチを使い、9月に定植。トンネルを活用し、霜による葉の傷みに気を付けながら、除草や追肥などの管理作業を進め、1月中旬から3月中旬までが収穫期だ。
管内で生産される葉ニンニクの出荷は、JA農産物直売所「夢未市」や「グリーンセンター」をはじめ、道の駅「清川」やJA全農ベジフルセンターに行われている。
県内JAとの意見交換や規格調製も積極的に行い、品質の向上や販路拡大にもつなげている。この他、一層の消費拡大に向け、行政と連携したレシピ作りにも取り組んでいる。
荻野地区で生産する新規就農者の長谷川拓海さん(23)は、葉ニンニクの生産2年目。今年は、天候や気温が安定せず、栽培に難しい環境下ではあったが、品質の高い葉ニンニクに仕上がった。
長谷川さんは「さまざまな料理に活用できる他、匂いも残りにくく味もマイルドなため、女性や子どもにもお薦めの食材。今後も、天候などの環境変化に対応しながら、品質の高い葉ニンニクを栽培していきたい」と意気込みを語った。
(日本農業新聞2021年2月5日付ワイド2首都圏より)