ソルガム産地化へ - 長野・JA信州諏訪
「次世代プロジェクト」で持続可能な経営実現をめざす
JA信州諏訪の次世代リーダー育成研修に携わる職員が、茅野市の圃場(ほじょう)約5アールでソルガムを収穫した。2メートルほどに成長したソルガムを鎌で1本ずつ刈り取り、ハウス内にはぜかけをした。今後は1年間の作業を振り返り、“信州諏訪産ソルガム”の販売実現に向けた取り組みを進める。
研修「次世代プロジェクト」は、持続可能な経営実現のための組織づくりと人づくりを目的に、2022年度から始めた。今回は、企画管理課の朝倉啓介課長代理ら3人が「産地づくり」をテーマとし、ソルガムの栽培を提案した。
ソルガムはイネ科の1年生作物で、手間をかけずに栽培できる。アレルギー物質を含まないため、ポリフェノールやガンマアミノ酪酸(GABA=ギャバ)といった高機能性物質が豊富な健康食品としても期待され、多くの料理に活用できる。これらのことから、管内で試験栽培をして販路を見いだし、将来の産地化を目指す。
5月下旬に、2品種を1粒ずつ各100グラムまいた。その後は定期的に草取りをし、栽培管理をしてきた。
収穫の当日は、職員7人が参加。刈り取る人、はぜかけをする人に分かれて作業をした。種まき2日後の大雨による圃場への浸水で、収穫量は目標の70%ほどの見込みだという。
朝倉課長代理は「ソルガムは乾燥に強いので、今年の酷暑でもかん水せずに栽培できた」と振り返る。今年の反省を生かして、草取りがしやすいよう育苗作業、浸水防止の畝作りなど、高品質のソルガムを効率よく収穫できる作業方法を提案する計画だ。
今後に向けて「販路を切り開くには収穫量が必要。組合員にも取り組みを広めるなど、栽培の普及を目指したい。将来的には“信州諏訪産ソルガム”が直売所やJAタウンなどに並ぶことを目標にしたい」と展望を語る。
<2023年11月30日(木) 日本農業新聞 ワイド2信越>